加齢性白内障は誰にでも起こりうる病気です。
日常生活に支障が出る場合には、
手術を検討する必要があります。
白内障について
白内障はこんな病気です
人の目はよくカメラに例えられますが、カメラのレンズに相当するのが「水晶体」です。
（人の目の仕組みと構造はコチラをご参照ください。）
水晶体はたんぱく質と水分から構成される透明な組織であり、「皮質」と「核」に分かれます。
正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし水晶体の中身のたんぱく質がさまざまな原因によって変性し、濁ってくることがあります。これが「白内障」です。
水晶体が濁ると光がうまく通過できなかったり乱反射したりして網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力の低下が起こります。
こんな症状はありませんか？
- 何となく物がかすんで見える･･･
- 昔よりも外の光がやけにまぶしく感じるようになった･･･
- 近頃、近くの物が見えやすくなった
- 急に眼鏡が合わなくなってきた･･･
- 物が二重、三重に見える時がある･･･
このような症状が現われたら、白内障の可能性があります。
白内障が起こる原因
白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは「加齢」によるものです。
加齢が原因で起こる白内障のことを「加齢性白内障」と言います。
個人差はありますが、年をとるにつれ誰でも水晶体は濁ってきます。そのため加齢性白内障は一種の老化現象と言えますし、高年齢の人ほど白内障を発症する傾向があります。
その他に白内障が起こる原因には、以下のような理由が考えられています。
- アトピー性皮膚炎、糖尿病 → 全身疾患に合併する白内障
- 風疹など → 先天性白内障
- 目の怪我など → 外傷性白内障
- ぶどう膜炎など → 併発白内障
- 放射線、薬剤（ステロイド剤）など → その他の原因による白内障
各白内障の種類による原因はあくまで可能性の一部です。
ご自身で判断なさらずに、一度当院で受診される事をお勧め致します。
白内障の治療方法
日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬などにより白内障の進行を遅らせることができます。
しかし薬剤による治療は水晶体が濁るスピードを遅くするものであって、症状を改善したり視力を回復させることは出来ません。
白内障が進行し、日常生活に不自由を感じるようであれば手術を行います。
以下のような場合には手術をお勧めいたします。
- 視力が低下し日常生活や仕事に支障がある場合
- 視力が低下により運転免許証が更新できない場合
- 新聞を読んだり細かい作業をするときに不自由を感じる場合
- 外では光が非常にまぶしくて見にくい場合
白内障の手術は局所麻酔（意識消失を伴わない麻酔のこと）をしてから１５分～２０分で行われる安全性の高い手術です。
手術は“超音波水晶体乳化吸引術”という手法で、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し、眼内レンズ（人工のレンズ）を入れるというものです。
白内障が進行してしまい水晶体の核が固くなっている場合には、核を丸ごと取り出す方法で手術を行うこともあります。
言葉だけでは分かりづらいと思いますので、図を使って補足します。
① 水晶体前襄の切開
黒目と白目の境を３－５ｍｍくらい切開した後、水晶体の前の膜を直径約５ｍｍの円形に取ります。
② 水晶体の中身の乳化吸引
超音波白内障乳化吸引装置を用いて、水晶体の中身を乳化し吸い出します。
③ 眼内レンズの挿入
空になった水晶体嚢内に、直径６ｍｍの眼内レンズを折りたたんで挿入します。
④ 眼内レンズの固定
眼内レンズは、眼内レンズを支える脚により水晶体嚢内に固定されます。
当院での白内障手術は入院の必要はございません。手術したその日にご自宅にお帰りになっていただいて、その後の通院で経過を診察いたします。
手術で使う器具について
当院では患者様により安全に手術を受けていただけるように、患者様おひとりおひとりごとに全ての器具を取り替え、また全ての器具を滅菌しております。
白内障の手術費用
白内障の手術には健康保険が適用されます。三割負担の方で患者様の自己負担分は４８，０００円程度です。
